令和元年度マーシャル諸島共和国
海上保安訓練・司令センター建設計画

2024年4月1日


業務第一部 地域第一課
石崎 高博(いしざき たかひろ)


業務第二部 地域第一課
染谷 千里(そめや ちさと)

16: 平和と公正をすべての人に

広大な海域における安全の確保

マーシャル国の海上取締能力などは、極めて脆弱であり、海域の適切な監理および捜索・救助などの海洋安全確保が十分ではないことから、海上保安能力の強化が喫緊の課題です。本案件は、第9回太平洋・島サミット(PALM9)の優先分野「法の支配に基づく持続可能な海洋」の実現、「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の取組みの柱である「平和と安定の確保(海洋安全保障)」に資する協力であり、海上保安能力の向上を図り,もって同国を含むインド太平洋の社会・経済発展および平和と安定の確保に寄与することが期待される取組みとなっています。

マーシャル政府関係者との緊密な連携で完工を目指す

2023年4月6日、施工期間中の安全と円滑な工事の実施を祈念して、起工式が執り行われました。本案件は、新型コロナウィルス感染症のパンデミックのなか、両国政府間で交換公文(E/N)が締結されました。マーシャルは島嶼国でもあり厳しい入国制限が課せられ、また、急激に円安が進み入札が不調になるなど幾多の困難を経ての起工であったため、着工の日を迎えた喜びもひとしおでした。JICSは、多くの関係者と細かな調整を行いつつ、計画通り18カ月間の工期で完工できるよう、プロジェクト監理を実施しています。

(写真)
関係者による起工式(鍬入れ)

案件概要

海上保安能力の向上を図る支援

マーシャル諸島共和国海上警察が利用する海上保安訓練・司令センターは、築40年の施設であり、老朽化とスペース不足が問題となっています。日本政府は、同施設の新庁舎への建て替え、本部機能強化のための機材供与(モニター、コンピュータなど)を目的とした無償資金協力を決定しました。

調達代理契約締結先 マーシャル諸島共和国外務・貿易省
エンドユーザー マーシャル諸島共和国法務・移民・労働省傘下海上警察
供与額 4.5億円
政府間決定日 2020年3月19日