カンボジア 「プノンペン前期中等教育施設拡張計画」で起工式を開催
2016年2月26日
2016年1月27日、カンボジア王国の首都プノンペンのテク・ラアック小・中学校でコミュニティ開発支援無償「プノンペン前期中等教育施設拡張計画」の起工式が開催されました。
このプロジェクトは、人口が急増する首都プノンペンにおいて不足する前期中等教育施設を拡充することで、前期中等教育へのアクセスや過密教室の緩和による学習環境の改善を図り、カンボジアにおける教育の質の改善に寄与することを目的としており、カンボジア政府の要請に応え、2014年6月30日にハオ・ナムホン副首相兼外務国際協力大臣と岸田文雄外務大臣が交換公文(E/N)の署名を行いました。その後7月10日にはJICAが先方政府との贈与契約(G/A)に基づき、資金供与を行いました。JICSはこのプロジェクトにおいて、カンボジア政府と調達代理契約を交わし、カンボジア政府の代理として調達や、資金管理を含むプロジェクト監理を実施しています。
起工式にはカンボジア側から、パ・ソチェットボン都知事、フット・ヤリー教育局長、日本側から隈丸優次駐カンボジア日本国大使、安達一JICAカンボジア事務所長が主賓として列席され、プノンペン都および都下教育局関係者を始め、大使館、JICA、学校長、教員、生徒、保護者、近隣住民、青年赤十字、青年スカウト、コンサルタント、施工会社、JICS等、多くのプロジェクト関係者が参加しました。
(左:隈丸大使、中央後:安達JICA所長、
右:パ・ソチェットボン都知事)
フット・ヤリー教育局長のスピーチ
式典参加者
校舎の完成予定図やプロジェクト関係機関の名前を掲示しました
起工式は約1,200人が参加する盛大な式典となり、パ・ソチェットボン都知事は祝辞の中で、まず、日本政府と日本国民が長期的な視野を持ち、さまざまな分野においてカンボジアの発展を支援していることに謝意を表明されました。特に教育分野では、多数のプロジェクトによる学校建設および設備供給が行われ、人材育成を含め、カンボジアと日本の深い絆の象徴になっていると述べられました。また、隈丸大使はこのプロジェクトはカンボジアの教育の質向上を目的としていること、年々増加するカンボジアの生徒に対し、日本が1990年から現在に至るまで教育分野の支援を重ねてきたことを述べられました。
隈丸優次大使のスピーチ
パ・ソチェットボン都知事のスピーチ
次に、建設が無事完工することを願う儀式が執り行われ、パ・ソチェットボン都知事、隈丸大使および安達所長らが祭壇に点火し、お供え物を捧げ、僧侶による祈祷が行われました。
無事の完工を願う儀式(1)
無事の完工を願う儀式(2)
大使による祭壇へのロウソク点火
無事の完工を願う儀式(3)
大使および都知事による供物への水やり
その後、工事着工をもたらす杭打ち機の通電式を行い、建設現場に杭が打ち込まれ、式典は無事終了しました。大規模で厳かな式典でしたが、終了後には参加者の笑顔があふれていました。
杭打ち前儀式
(参加者左:安達JICA所長、中央:隈丸大使、右:パ・ソチェットボン都知事)
杭打ち通電式
(左:隈丸大使、右:パ・ソチェットボン都知事)
施工会社による杭打ち
今後、契約済みである第1ロット4校分の建設および家具調達を滞りなく進めていく一方で、第2ロット4校分の入札を関係機関と調整し、実施、契約、調達を円滑に執り行いたいと思います。「JICSに任せてよかった、最高の調達サービスを提供してもらった」と関係者や生徒たちが実感出来るよう、日本の援助に対する信頼と期待に応えるべく、真摯に対応していきたいと思います。
プロジェクト基礎情報
案件名 | プノンペン前期中等教育施設拡張計画 |
供与(E/N)額 | 8.51億円 |
交換公文(E/N)署名日 | 2014年6月30日 |
贈与契約(G/A)署名日 | 2014年7月10日 |
調達代理契約(A/A)日 | 2014年9月10日 |
契約相手(調達代理契約) | プノンペン都 |
プロジェクト概要 | プノンペン都における既存の8中学校の校舎建設 |
JICSの役割 | 本プロジェクトの調達代理機関として、援助資金の管理、施工会社および家具会社の調達、両国関係者の調整等、プロジェクト全体の管理を担当 |
調達品目 | 8中学校の校舎建設および家具調達 |
プロジェクトの主な流れ/現状 | 2016年1月 第1ロット(4校分)施工会社と契約締結、起工式 |