ラオス コミュニティ開発支援無償
小中学校91校が完成!「チャンパサック県及びサバナケット県学校環境改善計画」で引渡し式を実施
2012年7月18日
本プロジェクトで建てた校舎
新校舎の前でテープカット
日本政府はラオスの将来を担う人材育成を支援すべく、基礎教育分野をラオス支援の重点課題のひとつとし、小学校建設や教員育成等の支援を行ってきました。この支援の一環として、2008年、ラオスでは初めてとなる、現地建設業者を活用したコミュニティ開発支援無償「南部三県学校環境改善計画」の実施を決定しました。これにより南部のセコン県、アッタプー県、サラワン県に74校290教室を建設し、9,280人の生徒たちがより良い環境で授業を受けることが可能となりました。しかし、カンボジアやベトナムと国境を接する地域では、依然貧困度が高く未就学児童が多く存在しているほか、教室数が足りず5年間の義務教育を提供できない学校や、老朽教室、仮設教室など緊急に建替えを要する学校が多数ありました。さらに前期中等教育の3年制から4年制への移行(2010年度)に伴い、中学校の早急な教室数増加が必要となっていました。このような状況を改善するため、日本政府はラオス政府の要請を受け、2010年6月15日にチャンパサック県及びサバナケット県において小中学校91校(後に4校追加)の建設を行う「チャンパサック県及びサバナケット県学校環境改善計画」の実施を決定しました。
本プロジェクトでJICSは、調達代理機関としてラオス政府に代わり、援助資金の管理と共に、コンサルタントの雇用、建設会社の選定・契約、学校家具の調達など、小中学校建設にかかるプロジェクトの全体監理業務を行ってきました。
このたび、91校の建設工事が完了し、2012年5月25日、サバナケット県ソンコン郡に位置するパクソン中学校において、引渡し式が行われました。
引渡し式には、ファクハム・ヴィファヴァン教育スポーツ省担当大臣、横田順子在ラオス日本国大使、戸川正人JICAラオス事務所所長などをはじめとして、多くの関係者が出席しました。あいにくの雨模様ではありましたが、ヴィファヴァン大臣と横田大使は生徒や学校関係者からの温かい拍手で迎えられ、パクソン中学校の生徒による歓迎の歌と踊りで式が始まりました。横田大使は、スピーチの中で、日本による援助の意義について触れられ、「日本の援助で建てた学校の生徒たちが、ラオスの将来と日本との友好関係の拡大に貢献してくれることを希望します」と述べられました。それを受け、ヴィファヴァン大臣は「ラオスに援助を賜りましたこと、日本国政府及び日本国国民の皆様に感謝申し上げます」と感謝の言葉を述べられました。
さらに、感謝の印として、ラオス側より日本側へプレゼントの贈呈がおこなわれ、式は大いに盛り上がりました。式後には、ヴィファヴァン大臣主催の昼食会が開かれ、式に参加したすべての人々が両国の絆を深めあう有意義な時間を過ごすことができました。
本プロジェクトでは、現在入札の結果発生した残余金を使用して、新たに4校の校舎を建設中であり、最終的に95校の小中学校が建設され、14,824人の生徒たちがより良い学習環境で授業を受けることが可能となります。ラオスでこれほど多数の学校を1つのプロジェクトで建設するのは初めてのことです。しかも建設された校舎は外観が綺麗なだけでなく教室内部も清潔で、生徒たちだけでなく、父兄や学校をコミュニティ活動の場とする地域の人々にも喜ばれています。これらの学校は、子供たちの将来に、そして日本とラオスの友好をさらに深めるのに、きっと役立つことでしょう。
プロジェクト基礎情報
供与(E/N)額 | 9.05億円 |
契約相手 | ベトナム国カマウ省地方人民委員会 |
プロジェクト概要 | 森林火災の発生などにより生活が不安定であり、ベトナム国内でも最貧困地域のひとつとされるカマウ省ウミンハ地区の復旧、開発・貧困削減のため、森林改良、インフラ整備などを行うことで、コミュニティ全体の生計向上を目指す。 |
JICSの役割 | 本プロジェクトの調達代理機関として、本プロジェクト推進に必要な役務や機材の調達、プロジェクト監理および資金管理を担当する。 |
調達品目 | 林地改良、水路、道路、橋、医療施設、教育施設などのインフラ整備および建設機械、木材加工機、病院機材の整備など |
プロジェクトの主な流れ/現状 | 【施設建設(全15ロット)】 2008年8月 設計コンサルタント2社と契約、設計調査開始 2009年3月 施工監理コンサルタントと契約 2009年6月〜7月 施工業者7社と契約、順次工事開始 【機材調達(全8ロット)】 2008年11月〜2009年3月 機材供給業者7社と契約、機材整備開始 2009年3月〜7月 機材引渡し、調達完了 |