マダガスカル 日本政府の二国間援助が再開し、「第四次小学校建設計画」でJICSは国民教育省と調達代理契約を締結しました
2015年11月11日
壁のない仮設教室
机・椅子の不足により、地べたで勉強する児童たち
国民教育省と調達代理契約締結
2010年2月撮影、前回携わった小学校建設プロジェクトの竣工式にて
マダガスカル共和国では,2002年に初等教育を無償化し、小学校の児童数は2001年の約231万人から2013年には約449万人に、教室数は私立を含め48,394教室から98,863教室とほぼ倍増しましたが、適切な設備が整っていない仮設教室が増加し、教育環境の改善が必要となっています。
しかし2009年の政変で憲法手続きにのっとらない形で暫定政府が発足したことから、日本政府が新たな二国間援助を停止するなど、国内外からの開発資金が減少し、就学児童増加に十分対応できない状況になりました。
その後、2013年12月に民主的プロセスにのっとった大統領選の実施と翌年4月の新政権発足を受け、日本政府は新規の二国間援助を再開しました。そして再開後初の学校建設プロジェクトとしてマダガスカル中東部に位置するアツィナナナ県に、既存の小学校27校113教室の建替え、増設と家具・教育機材等の供与を目的とする「第四次小学校建設計画」の実施が2015年6月24日に決定し、両国政府で交換公文(E/N)を交わしました。JICAは調達条件やマダガスカル政府が実施することなどを定めた贈与契約(G/A)に基づき、資金を供与しました。
アツィナナナ県の小学校入学率は全国平均を若干下回り、プロジェクト実施される県最大かつマダガスカル第二の都市トアマシナでは高い人口増加率が続いています。更に、アツィナナナ県はサイクロンの通過点で、サイクロンによる教室被害を補うための仮設教室増加、児童の通学時間を分けて授業を行う2部制、2学年以上をひとつにまとめた複式学級導入による対応を行っており、教室整備の必要性や重要性は非常に高くなっています。
JICSは本プロジェクトでマダガスカル共和国国民教育省の代理人(調達代理機関)として資金管理や施工会社等の選定、プロジェクト全体の管理等を行うことを約束する「調達代理契約」を2015年8月26日に交わしました。
実はJICSが同国の調達代理機関として小学校建設に携わるのは初めてではありません。2007年3月に実施が決定し、合計52校204教室を建設した「アンツィラナナ州及びトリアラ州小学校教室建設計画」においても、JICSは同国の調達代理機関としてプロジェクト全体の管理等を実施し、2009年12月に全教室が完工しました。2010年2月に開催された竣工式で撮影した子供たちの写真は、子供たちの笑顔と躍動感がとても印象的で、現在、JICS本部の受付に飾られています。
現地での小学校建設に対する期待はとても高く、それに応えるべく必要とされる施設を工期内に完工させる事が出来るよう、しっかり取り組んでいきたいと思っております。
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プロジェクト基礎情報
案件名 | 第四次小学校建設計画 |
供与(E/N)額 | 8.60億円 |
交換公文(E/N)署名日 | 2015年6月24日 |
贈与契約(G/A)署名日 | 2015年6月24日 |
調達代理契約(A/A)日 | 2015年8月26日 |
契約相手(調達代理契約) | マダガスカル共和国国民教育省 |
プロジェクト概要 | アツィナナナ県での小学校合計27校(全て既存校)の建替え及び増設。 |
JICSの役割 | マダガスカル共和国国民教育省の調達代理機関として資金管理や施工会社等の選定、工事実施中の管理等、プロジェクト全体の監理。 |
調達内容 | 4学区27小学校(全て既存校) (ブリッカビル4校、バトマンドリ6校、トアマシナ2地域17校) (1)教室113、校長室16、倉庫16、トイレブース149、雨水貯留槽5の建設 (2)教室家具 (3)コンサルタント(ソフトコンポーネント含む) |
プロジェクトの主な流れ/現状 | 2016年以降、現地プロジェクトオフィスを開設し、入札等実施予定 |