ネパール 「コミュニティ交通改善計画」でスカジョ橋の開通式を開催
2014年2月21日
ネパール連邦民主共和国(以下、「ネパール」という。)の地方道路の主要渡河地点に32本の橋をかけるODAのプロジェクト「コミュニティ交通改善計画」で、JICSはネパール政府の調達代理機関として設計・施工監理コンサルタントの雇用や現地施工会社の選定・契約、資金管理を含むプロジェクト監理を担当しています。2013年6月以降、シンズリ郡のダミレ橋の完成に続き、次々と橋梁が完成を迎えていますが、2014年1月23日にラメチャップ郡でマンタリ・ラメチャップ・サングタル道路のスカジョ川に架かる橋梁の完成と開通を祝う式典が開催されました。
建設前の現場
完成したスカジョ橋。
雨期に備え、水路の拡張も行いました。
開通式には、本プロジェクトの実施機関が所属する連邦・地方開発省のサンタ・バハドゥール・シュレスタ次官、小川正史駐ネパール日本国大使、及び清水勉JICAネパール事務所長をはじめとする関係者に加え、橋梁に高い関心を寄せる地元住民も、住居地域から離れているにもかかわらず、約100名が参加しました。
開通式では、シュレスタ次官と小川大使により記念碑が除幕され、清水所長を加えた3者により橋の上でテープカットが行われました。その後、参加者全員で、完成した橋の上をゆっくりと歩きながら、式典会場へ進みました。
小川大使(左)とシュレスタ次官(右)による記念碑の除幕
シュレスタ次官(中央)、小川大使(右)、清水JICA所長(左)の3者によるテープカット直後の様子
式典では、スピーチが行われ、小川大使が本プロジェクトの概略につき地元住民へ説明の上、本橋梁を建設した現地の施工会社に感謝の言葉を述べられ、「このすばらしい橋を見て、日本の技術がネパールにも伝わっていることが解りました。」と、プロジェクトの成功を称えました。
小川大使によるスピーチ
また、シュレスタ次官は、日本政府への感謝を述べるとともに、日本国民の税金により造られた橋をしっかりメンテナンスしながら、自分の持ち物だと思って大切にしてほしいと地元住民にメッセージを送りました。
シュレスタ次官によるスピーチ
さらに、清水所長は本プロジェクトに関するスピーチをすべてネパール語で行い、地元住民の拍手喝采を浴びていました。ネパール国連邦・地方開発省地方インフラ開発農道局長からは、更なる日本の支援を要望する声が聞かれました。
両国関係者を交えた記念撮影
本式典の模様は、ネパールの全国紙であるカンチプル新聞でも取り上げられ、ネパール全土に本プロジェクトが知られることとなりました。
これまで雨期には水があふれ、長期間通行止めとなっていた地方道路の渡河地点に、本プロジェクトで32本の橋が建設されることで、通年での車両通行が可能となり、コミュニティの生活向上や経済社会活動の促進が期待されています。
カンチプル新聞(Kantipur Daily)2014.1.24による関連記事
Copyright: Kantipur
プロジェクト基礎情報
案件名 | コミュニティ交通改善計画 |
供与金額 | 9.90億円 |
交換公文(E/N)署名日 | 2010年(平成22年)3月5日 |
贈与契約(G/A)署名日 | 2010年(平成22年)3月19日 |
調達代理契約(A/A)日 | 平成22年4月27日 |
契約相手(調達代理契約) | ネパール連邦民主共和国 連邦・地方開発省 |
プロジェクト概要 | ネパールの中央地域の5郡(マホタリ郡、シンズリ郡、ラメチャップ郡、カブレパルトーク郡、シンドゥパルチョーク郡)の地方道路上の渡河地点に32本の橋梁を建設 |
JICSの役割 | ネパール政府の調達代理機関として本プロジェクト推進に必要な役務の調達(現地施工会社、設計・施工監理コンサルタントの選定)や資金管理を含むプロジェクト監理を担当 |
調達内容 | 橋梁建設(現地施工会社、設計・施工監理コンサルタント) |
プロジェクトの主な流れ/現状 | 2010年7月 :設計・施工監理コンサルタント(日本工営株式会社)と契約 2010年11月〜2011年2月:現地施工会社11社と契約 2010年11月〜 :橋梁建設工事開始 2013年6月〜 :橋梁の完成 |