地雷除去機引渡し式の開催と西日本豪雨被災者に対するプロジェクト関係者の祈り
2018年7月27日
JICSはカンボジア地雷対策センター(Cambodia Mine Action Centre、以下「CMAC」という。)の調達代理機関として、無償資金協力※1 「第三次地雷除去活動強化計画」にて、日本政府から供与された資金の管理、地雷除去機の調達や地雷除去活動の推進、地雷除去後の土地の農業インフラの整備及び農業トレーニングのマネジメントを実施しています。
カンボジア バッタンバンで2018年5月8日に開催された地雷除去機の引渡し式には、フン・マネット カンボジア王国軍参謀次長、CMACヘン・ラタナ長官や堀之内秀久駐カンボジア王国日本国大使、また地雷の被害にあった方など約1500人が参加し、盛大な式典となりました。この式典では、これまでのJICSの功績を称えるとして、フン・マネット参謀次長より竹内和樹業務執行理事に勲章が授与されました。
約1,500人が参加
地雷被害者の方(前列)と
フン・マネット参謀次長、ヘン・ラタナ長官、
堀之内秀久大使(後列左より)
日本の地雷除去機メーカーの方も立会い
地雷除去機についてヘン・ラタナ長官が
説明されました。
フン・マネット参謀次長と竹内理事
JICSは、1998年より20年間、日本のODAを通じて、カンボジア向けの地雷除去機材開発から、地雷除去、そして地雷除去後の土地活用(農業支援など)に携わってきました。
プロジェクトの内容も変化しており、除去地での栽培作物の多様化もその一例です。これまでは除去対象地は平地が多く、除去後の土地には米やキャッサバ(芋、タピオカの原料)が栽培されてきました。しかし今回は、タイ国境近くの山間地域で地雷除去が実施されるため、傾斜地の栽培に適したコーヒーの農業トレーニングが初めて取り入れられます。
また、10年前に供与され、今回経年劣化により入れ替えられる除去作業員用テントは、過酷な天候に耐えられるよう、日本製の高耐候性生地を用いたものを調達予定です。
今後も現地のニーズ・環境を的確に捉え、より効果的に裨益者の方々の生活の向上に繋がるプロジェクトを実施してまいります。
西日本豪雨直後の7月12日、CMACからJICSに、「日本で、豪雨により大きな災害が起きていることを知り、多くの人が心を痛めています。カンボジアでは地雷除去プロジェクトに関係する幅広い人たちが自主的に哀悼し、被災地の一日も早い復興を願い、祈りをささげています。」とメッセージ(英語)をいただきました。
CMAC、バッタンバン州地方開発局(地雷除去後の土地の農道整備で測量設計を担当)、同州農業局(地雷除去後の土地で農民に対する農業トレーニングを実施)、Good Earth Japan(CMACと共に地雷除去や農道整備を実施する認定非営利活動法人)などプロジェクトを実施する関係者、そしてこれまでの地雷除去プロジェクトの裨益者の方々(地雷除去後の農地を利用している農民、農業トレーニングを受講した農民)、学校の先生、生徒さんなどが祈ってくださっているとのことで、その写真も添えられていました。
一部写真をご紹介いたします。
カンボジアからの祈りや思いが被災地の方々に伝わるよう願っています。
このプロジェクトの過去の記事はこちら
プロジェクト基礎情報
案件名 | 第三次地雷除去活動強化計画 |
政府間決定日 | 2016年9月27日 |
供与(E/N)額 | 18.10億円 |
調達代理契約 | 2016年10月10日 |
プロジェクト概要 | カンボジアの地雷除去において中心的な役割を果たしているCMACに対して、地雷除去機の提供、同機材を用いた除去活動の推進、地雷除去後の土地の農業インフラ整備及び農業トレーニングをサポートするもの |
JICSの役割 | 本プロジェクトの調達代理機関として、本プロジェクト推進に必要な役務や機材の調達、プロジェクト監理および資金管理を担当。 |
※1 無償資金協力:開発途上地域の開発を主な目的として、日本政府より同地域の政府等に対して、返済の義務を課さずに資機材やサービスなどを調達するために必要な資金を供与する援助の形態です。