ブルキナファソ
森林・環境分野のスペシャリストを育てる国立水森林学校の施設が完成し、新たな機材も導入
2013年12月24日

新たに建設された講堂と調達されたバス、四輪駆動車

二石昌人大使よりレプリカキーを
サリフ・ウエドゥラオゴ環境大臣へ
西アフリカに位置するブルキナファソでは、1953年設立の国立水森林学校において、森林・自然資源管理などを担う森林官や環境技官などのスペシャリストの養成・再教育を2年間(一部3年間)のカリキュラムで行ってきました。
同国は国土の北半分がサヘル地域に属し、森林減少や砂漠化問題に直面しています。森林・環境分野の人材需要は増加し、同分野の人材育成を担う唯一の機関である同校では教育・研修能力の強化を図ってきました。しかし、学生の大幅な増加(1999年62名→2006年320名に増加)に伴い、施設の学生受入能力不足、既存施設・機材の老朽化が目立ち、教育・研修活動に支障を来たしていることが課題となっていました。
このような背景からブルキナファソ国政府は日本国政府に対し、同校の新規施設建設などの要請を行い、2010年12月2日に日本の無償資金協力 による「国立水森林学校教育研修能力強化計画」の実施が決定しました。
このプロジェクトでは、同校の教室棟や実験棟、動・植物標本館、講堂、学生寄宿舎、職員宿舎、食堂等の施設建設のほか、研修用機材、教育機材、車両、家具等の機材調達及び情報処理や機材維持管理の技術支援も実施されました。これにより、学生数240名程度の規模であった同校は500名まで増員可能となりました。
JICSは環境・持続可能開発省※1の調達代理機関として、援助された資金の管理や、コンサルタントの雇用、施工会社の選定・契約、機材や家具等の調達会社の選定・契約、プロジェクト全体の監理業務などを行いました。プロジェクトの実施内容は、教育施設建設や、研修に使用される様々な機材調達等、多岐にわたりましたが、建物や機材の引渡しを無事終えることができました(但し一部を除く)。

講堂では、一新された施設について、
生徒達に説明されました
2013年11月22日には、サリフ・ウエドゥラオゴ環境大臣、駐ブルキナファソ国二石昌人日本国大使、国立水森林学校キムゼ・ウエドゥラオゴ校長、JICAブルキナファソ事務所森下拓道所長をはじめとして、学生、コンサルタントや施工会社の方々も参加し、竣工式が開催されました。
竣工式では、新築の講堂で、学生達に、日本の援助による本プロジェクトの施設・機材概要について説明されました。
森林工学、気象・水文学、土壌学など高度な環境、自然資源管理の技能取得が可能な同校には、近隣国のニジェールやトーゴからの留学生も在籍しています。施設が充実し、研修能力も向上した同校で、森林・環境分野のスペシャリストが多数誕生し、国内のみならず、西アフリカにおける環境・気候変動問題への対処能力が向上することが期待されています。
※1 環境・持続可能開発省:現在の名称。2010年時点では、環境・生活環境省。
プロジェクト基礎情報
案件名 | 国立水森林学校教育研修能力強化計画 |
供与(E/N)額 | 6.55億円 |
交換公文署名日 | 2010年12月2日 |
調達代理契約日 | 2011年2月1日 |
契約相手 | 環境・持続可能開発省 |
実施機関 | 環境・持続可能開発省 |
プロジェクト概要 | 国際的気候変動対策支援の一環として、森林官・環境技官育成機関である、国立水森林学校の新規施設建設・機材調達及び技術支援を実施し、森林・環境分野の人材教育研修を強化する。 |
JICSの役割 | 本案件の調達代理機関として、施設建設・機材調達・サービスの調達の監理及び資金管理を含む、案件全体の監理を実施 |
調達内容(品目) | ■施設建設 教室棟、講堂、動物・植物標本館、実験棟、管理棟、植物園内東屋、給水塔、共用電気・給排水設備、寄宿舎、トイレ、調理場、食堂兼多目的スペース、バレーボールコート、職員宿舎等 ■機材 研修用機材(森林工学・測量・製図用、GISソフトウェア用、気象・水文学関連用、土壌学関連用、景観整備・園芸用、実験用計測・汎用機器、実験補助機器)バス、四輪駆動車、各施設用家具等 ■技術支援 情報処理システム管理 (情報処理関連機材の維持管理及びデータベース構築に必要な技術研修) 実験室・実験機材管理 (実験用機材の維持管理に必要な技術研修) |