コスタリカ 中米初のメガソーラー発電施設が完成

2013年3月11日

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ミラバジェス火山の裾野に並ぶ太陽光パネル
(既存の地熱発電所、風力発電機とともに一大再生エネルギー利用地区となった。)

 狭い国土に多くの生物種が存在するコスタリカ共和国は、世界的にもその生物多様性が注目されており、豊かな自然環境を生かしたエコツーリズムが盛んです。政府も積極的に環境問題と経済成長の両立に取り組んでおり、2007年には、今後20年間に二酸化炭素排出量と吸収量を差し引きでゼロ(「炭素中立」)とする考えを表明しました。世界初の二酸化炭素排出ゼロ国家となることを目標に掲げ、火力発電所の全廃やハイブリッド車の導入に取り組む一方で、植林を進めて排出分を相殺するほか、再生可能エネルギーの利用推進等に力を入れています。日本国政府は、その取り組みにわが国の優れた環境関連技術を活用し協力するため、2010年2月に「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」の実施を決定しました。

 本プロジェクトで、JICSはコスタリカ電力通信公社と調達代理契約を締結し、プロジェクト全体のマネジメントを行い、2012年10月末に施設が完成、同年11月22日には、発電容量1MW(メガワット)系統連系太陽光発電システムを設置したミラバジェスにてラウラ・チンチージャ・ミランダ大統領、並木芳治在コスタリカ日本国大使をはじめとした多くの関係者が出席し、引渡し式が開催されました。中米で初のメガワット級の太陽光発電施設の完成に、多くの報道関係者が取材に訪れ、テレビや新聞のニュースでも大々的に取り上げられました。

 施設建設中から邦人コンサルタントによって太陽光発電システム技術及び運用・保守点検に関する研修が実施され、電力通信公社の職員の方々は積極的に研修に参加しており、今後は本プロジェクトをモデルとして、次の太陽光発電設備の建設が進められていく予定です。

引渡式

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テープカットの様子
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プロジェクトの記念銘版の前で
握手を交わす
チンチージャ大統領と並木大使

プロジェクト基礎情報

案件名 太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画
交換公文署名日 2010年2月16日
供与(E/N)額 8.1億円
調達代理契約 2010年3月26日
契約相手 コスタリカ共和国電力通信公社
実施機関 コスタリカ共和国電力通信公社
プロジェクト概要 ミラバジェス地熱発電所隣接地(1MW)と電力通信公社本社(3kW)に系統連系太陽光発電システムの設置とともに、太陽光発電システムに係る基礎知識習得や保守点検方法等の技術研修を実施
JICSの役割 本プロジェクトの調達代理機関として、必要な機材・サービスの調達および資金管理を含むプロジェクト全体の監理を実施