パレスチナ 環境プログラム無償
パレスチナへ日本の技術を 「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」完工式を開催
2012年10月24日

ファイヤード首相と松浦対パレスチナ暫定自治政府日本政府代表事務所長

ファイヤード首相からJICSへ楯の授与

太陽光パネル
(写真提供: アイッサム・アリマーウィ氏)
パレスチナの夏の終わりを告げる半年振りの雨の翌日、2012年9月30日(日)にサラーム・ファイヤードパレスチナ暫定自治政府首相、松浦純也対パレスチナ暫定自治政府日本政府代表事務所長、マジェッド・フィティヤーニジェリコ県知事、オマール・キッターニエネルギー・天然資源庁総裁参列の下、太陽光発電システムの導入を行うプロジェクト「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」の完工式が行われました。式典には、プロジェクト関係者、ジェリコ県関係者、他ドナー関係者及び多数のプレスも参加し盛大に執り行われました。
キッターニ総裁がイスラエル、ヨルダンといった諸外国に依存してきたエネルギー供給量を減らし、パレスチナが国家として自立する道筋を見出すための歴史的な日になったこと、本プロジェクトを通じて、制度・組織・技術面の構築ができたこと、邦人技術者からパレスチナ人技術者へ(太陽光発電システムの運営や保守に必要な)技術移転が行われたことを述べられました。それと同時に、本プロジェクトを礎として、パレスチナの人々、一人一人が家に太陽光パネルを持ち再生可能エネルギーによって発電ができるように、法整備や体制を整えて行きたいと未来へ向けた力強いスピーチをされました。
ファイヤード首相は、パレスチナ人の経済自立性の促進と、投資家にパレスチナへの投資が魅力的だと思われるような環境整備の重要性を強調されました。そのために日本が継続的に行っているあらゆる分野への協力に深く感謝の意を示されるとともに、太陽光発電システムの導入プロジェクトはより多くの投資を促すきっかけとなる非常に素晴しいプロジェクトであるとの賛辞を述べられました。
松浦所長は、このプロジェクトが日本とパレスチナを繋ぐ友好の「種」であり、日本政府が牽引する「平和と繁栄の回廊※」の構想を実現するためのシンボルであると述べられるとともに、JICSを含め案件に尽力した関係者の労をねぎらわれました。
本プロジェクトで設置された太陽光パネルは300kW– パレスチナの家庭130世帯以上を賄える電力量 – を発電し、日本政府の支援によって建設が進められているジェリコ農産加工団地へ恩恵をもたらします。
※:イスラエルとパレスチナの共存共栄に向けた日本の中長期的な取り組みのことで、パレスチナ、イスラエル、ヨルダン、日本の4者からなる協議体を立ち上げ、日本のODAを戦略的・機動的に活用しつつ、域内協力の具体化に取り組むことも含まれています。
プロジェクト基礎情報
案件名 | 太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画 |
交換公文署名日 | 2009年12月21日 |
G/A公文署名日 | 2009年12月21日 |
供与(E/N)額 | 6.00億円 |
調達代理契約 | 2010年1月6日 |
契約相手 | パレスチナ暫定自治政府・エネルギー・天然資源庁 |
実施機関 | パレスチナ暫定自治政府・エネルギー・天然資源庁 |
プロジェクト概要 | ジェリコに所在する農産加工団地への太陽光発電システム(300kW)設置とともに、太陽光発電システムに係る基礎知識習得や保守点検方法等の技術研修を実施 |
JICSの役割 | 本プロジェクトの調達代理機関として、必要な機材・サービスの調達および資金管理を含む案件全体の管理を実施 |