ニジェール 食糧援助
安定した食糧供給のために

2009年9月7日

(写真)
ニジェール農家の脱穀作業の様子

 サハラ砂漠の南に位置するニジェールは、約126万7,000平方キロメートルの国土(日本の約3.4倍)に約1,370万人(日本の約10分の1)が暮らす内陸の国です。国土の3分の2を砂漠が占めており、主な産業である農業の水源は南部を流れるニジェール川に限られています。
 灌漑設備が未整備で水源も乏しいため、天水に頼る農業が中心ですが、降雨量が少なく、収穫量は干ばつなどの天災に大きく左右されます。また、近年の気候変動の影響を受け、砂漠の拡大も進んでいます。特に2005年は、干ばつと砂漠バッタの発生による被害が大きく、深刻な食糧不足に陥りました。

 これまで日本政府はニジェールに対し、2002年度以降連続して食糧援助を行ってきましたが、依然として続く食糧不足を改善するため、2009年3月31日、平成20年度食糧援助の実施が両国政府間で決定しました。
JICSはニジェール政府の調達代理機関として、援助米を輸送する業者の選定、納入管理などの業務を担当しています。

 調達された米は、ニジェール食糧公社を通じて市場価格よりも安価で国民に販売されます。食糧援助においては、この販売代金を「見返り資金」として積み立てることが義務付けられています。この見返り資金は、日本政府との協議のうえ、被援助国の社会経済発展のために活用することができるため、予算不足であるニジェール政府にとっては貴重な資金源となっています。ニジェールでは、今回の援助で発生する見返り資金を自国で栽培する穀物や米を買い取る資金にあて、それらを特に食糧難が深刻な地域で配布する予定になっています。
食糧援助により調達された米、そしてその販売代金を積み立てた「見返り資金」は、ともにニジェールの安定的な食糧供給に寄与することが期待されています。

プロジェクト基礎情報

案件名 食糧援助<平成20年度>
供与(E/N)額 8.20億円
プロジェクト概要 ニジェール国の食糧不足問題に対して無償資金協力援助資金で必要な食糧の調達を実施
JICSの役割 調達代理機関として、本プロジェクトの進捗管理(入札開催、業者契約などを含む)および資金管理を実施
調達品目