税関監視艇を調達したプロジェクトがODAメールマガジンに掲載されました
−日本の税関監視艇が生まれ変わり、カンボジアでも活躍中−

2019年5月14日

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船名塗装中
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改修工事中

 JICSは様々なODAプロジェクトに携わっていますが、今回はその中でも珍しい、日本で活躍していた税関監視艇の調達プロジェクトをご紹介します。

 海洋域で密輸などの違法行為を取り締まる高速監視船を持たないカンボジア関税消費税総局からの要請に応え、2018年4月、日本政府からODAとして退役間もない税関監視艇2艇と整備等に必要となる資金の贈与(「経済社会開発計画」等)が決定しました。JICSはカンボジア政府の調達代理機関 として、2018年10月までに贈与される税関監視艇2艇の艤装品の交換、海上輸送およびトレーニング、主機関のオーバーホール、船体の再塗装など日本国内での作業を終えました。カンボジア税関カラー(グレー)に再塗装された2艇は翌11月にシアヌークビル港に到着し、現地トレーニングを経て、交換公文 署名から9ヶ月で関税消費税総局への引渡しを完了しました。

 改修整備を行う造船所の選定(入札)手続きのほか、所有権移転や船籍の変更手続き、カンボジアまでの輸送手段の検討など中古船調達ならではの特殊な業務もありましたが、2017年に退役したばかりの監視艇2艇を速やかに先方へ引き渡し、2019年3月までに全業務を完了するというスピーディーな調達が実現しました。

 今回、ODAメールマガジンで、贈与した税関監視艇が密輸の取り締まりにおいて既に大きな成果を挙げていると知り、関係者一同、喜んでいます。本案件の迅速な実施にあたり、我が国財務省関税局および各税関の皆様並びに契約企業の皆様他、ご尽力いただいた全ての皆様に深く感謝申し上げます。

 ODAメールマガジンのURLを掲載しますので、ぜひリンクでご覧ください。

プロジェクト基礎情報

案件名 経済社会開発計画
政府間決定日 2018年4月8日
供与(E/N)額 5.00億円
調達代理契約 2018年4月25日
プロジェクト概要 財務省税関所属の税関監視艇2艇のカンボジア経済財政省関税消費税総局への贈与
JICSの役割 カンボジア経済財政省関税消費税総局の調達代理機関として、船舶の日本国内での保管・管理、必要な改修・整備、海上輸送、トレーニングに加え、船籍、船名変更、国内での移動に必要となる臨時航行許可の申請手続きなどの役務の調達とODA資金の管理を担当。