日本のディーゼル機関車が新潟からカイロに向けて出発!
2017年1月11日
ディーゼル機関車の船積み。大きなディーゼル機関車がつり上げられ、無事船に納まりました。
写真提供:北陸重機工業株式会社
写真提供:北陸重機工業株式会社
JICS(ジックス)は現在、日本の政府開発援助(ODA)プロジェクトで、エジプト カイロ地下鉄の故障した客車や整備車両の運搬に使用する日本製ディーゼル機関車の調達に携わっています。
実はJICSが調達代理機関としてエジプトの地下鉄向け車両の調達に携わるのはこれが初めてではありません。2000年代にもカイロ地下鉄1号線に日本製の地下鉄車両6両を調達しています。今回奇しくも、同じ1号線で使用するディーゼル機関車を調達することとなりました。前回の担当者1名が再び担当となり、当時の経験を活かし、より効率的、効果的なプロジェクト実施に取り組んでいます。
ディーゼル機関車の調達は、一般の鉄道車両よりも製造などに時間を要することから、長期のプロジェクトとなります。このプロジェクトも2012年の開始からおよそ4年後の2016年秋に、長さ18.66メートル、高さ3.8メートル、幅3メートル、重量80トンのディーゼル機関車が完成しました。新潟市の製造メーカーで、JICSの担当者立会いのもと、運営・管理を行うカイロ地下鉄公団の技術検査官がサプライヤーの商社(JICSが実施した入札で落札し、JICSと契約)とメーカーが製造したディーゼル機関車に対する工場検査を実施しました。その後、輸送船に船積みされたディーゼル機関車は、11月に新潟を出発して、現在エジプトに向かっています(2016年12月時点)。
なお、このプロジェクトは、地方メーカーのディーゼル機関車がODAで海外に出荷された例として注目を集めており、新潟日報や日刊工業新聞にその記事が掲載されました。
工場検査にて
機関車には、両国の国旗と日本からの支援である文字を記載したステッカーが貼られています。
工場の様子。このメーカーは、ディーゼル機関車や機動モーターカーなど、鉄道向けの牽引作業やメンテナンスを行う車両などを製造しているとのこと。
カイロ地下鉄公団の技術検査官とJICS担当者が協議中。
車両を確認中
検査完了後にカイロ地下鉄公団の3名の技術検査官をコンサルタント(右)、JICS担当者(左)が挟む形で記念撮影。
プロジェクト基礎情報
案件名 | ノン・プロジェクト無償資金協力 ※ノン・プロジェクト無償資金協力についてはこちらのページをご覧ください。 |
政府間決定日 | 2012年2月12日 |
供与(E/N)額 | 5.00億円 |
調達代理契約 | 2012年9月25日 |
プロジェクト概要 | カイロ地下鉄1号線向けディーゼル機関車1両の調達 |
JICSの役割 | エジプト政府(国際協力省)の調達代理機関として、地下鉄機関車両の調達、プロジェクト監理および資金管理を担当。 |