青森の造船所で作られた多目的タグボートがナウルに到着

2017年3月24日

【タグボートの調達とトレーニング】
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造船後、日本で試験運転を行いました。
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ナウル到着後、まずは陸揚げされました。
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操船についてのトレーニング実施中
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陸上でのトレーニング実施中

 JICS(ジックス)は、ナウルに対する2件の日本の政府開発援助(ODA)プロジェクトに携わってきました。1件はナウル港湾局が使用する多目的タグボートを調達する「ノン・プロジェクト無償資金協力」、他方はナウル水産公社が使用する水産関連機材を調達する「中小企業ノン・プロジェクト無償資金協力」です。

 ナウルは、太平洋の赤道付近に浮かぶ島国です。面積は21平方キロメートル(東京都港区と同じくらい)、そこに約1万人の人々が暮らしています。ナウルには大型船が停泊できるような岸壁がありません。そのため、外国からの貨物の多くは、沖合に停泊する大きな貨物船から小型のボートに積み替えられ、それが何度も往復し、陸揚げされています。ナウル港湾局が所有する小型ボートは老朽化しており、将来的に運送作業に懸念がありました。

 2017年1月、この積み替えから陸揚げの作業に携わる新しい多目的タグボート2隻がナウルに到着しました。そして、翌月には日本人の技術者が現地を訪れ、ナウル港湾局の関係者に操縦と維持管理方法の指導を行いました。

 この多目的タグボートは、青森県の造船所で造船されたものです。全長は12m、全幅4.4mの大きさで、コンテナ1本がちょうど納まるサイズの船倉を持つユニークな形をしたボートです。

 また、当時ぼろぼろで使えなくなっていたビーコン(航路の標識灯)やエクスカベーター(建設機械)、海水淡水化装置などナウル水産公社で必要としていた機材については、JICSがナウル政府の代理人として日本の中小企業製品を調達しました。

 2月21日にはナウル共和国バロン・ディバベシ・ワンガ大統領、花谷卓治駐フィジー日本国大使(ナウル、キリバス、ツバル、バヌアツを兼轄)をはじめとした関係者が出席し、2件のプロジェクトで調達した機材の引渡し式が開催されました。

 これら機材が適切に活用されることによって、ナウルへの物資輸送の安定性・効率性の向上や水産養殖の発展に役立ち、そしてナウルの人々の生活が向上することが期待されます。

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[引渡し式]
ワンガ大統領と花谷大使がエクスカベーター(左)の前で撮影
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新しく取り付けられたビーコン(航路の標識灯)が明るく輝き、
その役割を果たしています
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海水淡水化装置

プロジェクト基礎情報

案件名 (1)ノン・プロジェクト無償資金協力
(2)中小企業ノン・プロジェクト無償資金協力
※ノン・プロジェクト無償資金協力についてはこちらのページをご覧ください。
政府間決定日 (1)2015年5月27日
(2)2015年1月21日
供与(E/N)額 (1)2.00億円
(2)1.00億円
調達代理契約 (1)2015年7月10日
(2)2015年4月23日
プロジェクト概要 (1)ナウル港湾局向け多目的タグボートなどの調達
(2)ナウル水産公社向けエクスカベーター、ビーコン、冷蔵庫、溶接機、海水淡水化装置などの調達
JICSの役割 ナウル共和国政府の調達代理機関として、多目的タグボート、水産関連機材などの調達、プロジェクト監理および資金管理を担当。