パキスタン 「ノン・プロジェクト無償(途上国の要望を踏まえた工業用品等の供与)」 引渡し式の開催

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2014年2月25日

 2011年3月11日に発生した東日本大震災。日本政府は被災した地域の復興支援の一環として、被災地で生産された工業製品を途上国に調達する「ノン・プロジェクト無償(途上国の要望を踏まえた工業用品等の供与)」(「被災地支援ノン・プロジェクト無償」と呼ばれることもある。)の実施を決定しました。

 そのうち、パキスタン政府の要請を受け、建設機械技術訓練所(CTTI)及びパキスタン医科学研究所(PIMS)に対して実施された標記プロジェクトにおいて、CTTI向け機材の調達が完了したことに伴い、2013年12月27日にCTTIにて引渡し式が盛大に開催されました。引渡し式には、パキスタン側からアッサン・イクバール計画開発改革大臣、バッティ連邦運輸省次官、イジャーズ・フセインCTTI所長他が、日本側から猪俣弘司駐パキスタン日本国大使他が出席しました。

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イクバール大臣(左から3人目)を仲介役として記念の鍵を渡す
猪俣大使(同2人目)と鍵を受け取るフセイン所長(同4人目)
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納入された小型旋盤で作られた部品を見るイクバール大臣(右)と猪俣大使(右から2人目)

 CTTIに納入された機材は、ホイールローダー、エクスカベーター、小型旋盤、フォークリフトなど15品目、約1億7,000万円に及びます。これらの品目は、日本政府の定める品目リストからCTTIが選定しました。本プロジェクト開始前、JICSは、調達業務で蓄積してきたデータベースを基に、被災地所在メーカーの製品情報を分野別(福祉・医療等)に整理して外務省に提供し、品目リスト準備段階で協力しました。本プロジェクトは途上国のニーズと被災地所在メーカーが製造する品目をマッチングさせるという難しい面もありましたが、JICSは、パキスタン政府の調達代理機関として、それら品目を納入する企業の選定及び納入監理を行い、無事に引渡し式の日を迎えるに至りました。

 引渡し式では、イクバール大臣及びフセイン所長より、今回の協力を含め、1986年のCTTI設立以来継続している日本の支援に対する謝意が述べられました。猪俣大使からは、東日本大震災にあたっていち早く支援の手を差し伸べてくれたパキスタンの人々への感謝の気持ちが示されるとともに、今回の協力を通じてさらに両国の友情が深まることを期待する旨が述べられました。

 JICSとしても、調達された機材がCTTIで訓練を受ける人々のために有効に活用され、彼らがパキスタンの将来を担う技術者として飛躍する一助となることを期待しています。

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納入されたフォークリスト(株式会社小松製作所製)

プロジェクト基礎情報

プロジェクト名 ノン・プロジェクト無償(途上国の要望を踏まえた工業用品等の供与)
供与(E/N)額 3.00億円
交換公文(E/N)署名日 2012年3月7日
調達代理契約(A/A)日 2012年5月15日
契約相手(A/A) パキスタン・イスラム共和国経済・統計省経済関係局
プロジェクト概要 東日本大震災の被災地で製造される工業用品等の調達
<納入先>
(1)建設機械技術訓練所(CTTI)
(2)パキスタン医科学研究所(PIMS)
調達内容(品目)及び生産拠点所在地 ホイールローダー×2(茨城県)
エクスカベーター×2(茨城県)
書画装置×4(福島県)
小型旋盤(Type I)×2(宮城県)
小型旋盤(Type II)×2(宮城県)
電動ハンマー×2(茨城県)
インパクトレンチ×2(茨城県)
高速切断機×2(茨城県)
ハンドシャ×2(茨城県)
ニブラ×2(茨城県)
排ガステスター×1(福島県)
ディーゼル排気黒煙測定器×1(福島県)
高圧洗浄機×1(福島県)
構内運搬車×1(岩手県)
フォークリフト×3(栃木県)
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