職員の一日

塩原さん

細矢さん

入団17年目(2016年4月現在)

部署:業務第一部施設第二課

入団してから行ったこと。訪問した国。

1999年-:入団後より、先輩職員の指導を受けながら医療分野を中心にパキスタン、アンゴラ、アフガニスタンに対する無償資金協力の簡易機材調査業務、入札・契約の手続き支援などの調達監理業務に従事しました。
簡易機材調査業務では、破傷風やポリオなどの感染症対策のためのコールドチェーン※1機材、注射器、ワクチン、マラリア対策用の蚊帳等の供与に先立ち、先方政府からの要請背景、組織管理体制、要請品目の妥当性について調査を行いました。

※1 コールドチェーン:医薬品等を輸送するための冷蔵流通システム

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注射器
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アンゴラに調達した冷蔵庫

2003年-:外務省による文化無償資金協力の案件として、専門家の方などと共にガーナ、エジプト、エチオピア、ボリビア、イエメン、マレーシアなどの現地調査業務、調達監理業務に従事しました。主に、理化学機材、文書保存用機材、LL機材などの調達を担当し、要請内容に対する妥当性の精査と機材確定を行い、入札・契約手続きを支援しました。

2006年-2007年:(外務省勤務)調査員として2年間外務省の業務に従事しました。

2008年-:ラオス、カンボジア、ベトナムにおける無償資金協力、及び国際基金機関案件に従事。通関・税関施設やRoadside Station(道の駅)などの施設整備案件の調達代理業務に従事しました。

2012年-:ネパール、マラウイのコミュニティ開発支援無償資金協力、及びネパール及びウガンダの紛争予防・平和構築無償資金協力に従事しました。ネパールでは憲法制定に向けた制憲議会選挙に使用する選挙用品の調達に携わりました。ウガンダでは、紛争が発生したことから避難していた国内避難民の帰還と定住を促すため、コミュニティ再生を目的とした道路・橋梁、学校施設、井戸などの建設を行った2つの案件に携わりました。

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ネパール:調達した投票箱
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比例代表選挙の投票後、投票口をセキュリティシールで密封
(写真提供:在ネパール日本国大使館)

ネパールで選挙用品等を調達した「制憲議会選挙支援計画」の紹介はこちらからどうぞ
(また、年報2013の第1部14ページにも記事を掲載しています・・・年報2013はこちらからどうぞ(PDF)

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ウガンダ:プロジェクト着工前の状態(左)と建設されたアラインガ橋(右)

ウガンダで橋梁建設や道路改良、整備工事が実施された「ウガンダ北部地域国内避難民帰還促進のための生活基盤整備計画」の紹介はこちらからどうぞ

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ウガンダ北部アチョリ地域の地方コミュニティに整備された井戸。
人の生活に水は欠かせません。

ウガンダで上記の井戸の設置のほか学校、保健所の建設などが行われた「ウガンダ北部アチョリ地域国内避難民帰還・再定住促進のためのコミュニティ再建計画」の紹介はこちらからどうぞ

2015年-:ミャンマーの事業・運営権対応型の無償資金協力である「ヤンゴン市無収水削減計画」の調達代理業務に従事しています。

仕事で訪問した国の合計:世界32カ国
近年の年間平均出張回数:4〜5回程度

今取り組んでいる仕事

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現地ヤンゴンの事前視察(ミャンマー)

 日本政府による、日本企業の持つインフラ技術の海外展開を支援するODAプロジェクトの一つに携わっています。

 現在、ミャンマーは急速に経済成長し、首都ヤンゴンでは水の需要も右肩上りですが、水道インフラの整備が追い付かず、また漏水などにより十分に給水されず、対応が必要となっています。日本政府は、官民連携案件として、「ヤンゴン市無収水※2削減計画(事業権・運営権対応型無償資金協力)」の実施を決定しました。

 この案件では、入札で選定された日本の事業者が、日本企業の技術を活かし無収水削減の工事に取り組む一方で、別途ヤンゴン市に対し給水マネジメントを含む関連の管理サービスを提供する予定です。漏水率の低減や給水体制の向上を通じたミャンマー国民の生活改善に加え、日本企業の海外進出の促進が期待されています。

 外務省は、案件開始に先立ち、本プロジェクトに関する調達代理機関の公募を行い、JICSはミャンマー政府に推薦される機関として選定されました。JICSはヤンゴン市開発委員会と調達代理契約を締結し、今後同委員会の代理人(調達代理機関)として供与資金を管理し、漏水削減に従事する日本の事業者の選定(入札)、契約、支払いなどの一連の調達手続を担うことになりました。

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実施機関との数日間に亘る入札図書協議の完了時に合同撮影 (ミャンマー)

 入札図書※3を作成するために、日本のコンサルタントによる専門的なアドバイスや資料に基づき、ヤンゴン市側の担当者と膝を突き合わせて、重要事項である契約条件、仕様、ヤンゴン市側の負担事項を決定するための話し合いを何度も繰り返し行いました。

 日本の技術がふんだんに盛り込まれた水道管により、ミャンマーの方々が十分な水を利用できることが期待されています。

※2 無収水:漏水や盗水など、料金の収入につながらない水。

※3 入札図書:入札に参加する企業等に対して、その入札に関連した様々な条件や業務内容などを提示する書類。

「ヤンゴン市無収水削減計画(事業・運営権対応型無償資金協力)」について外務省のウェブサイトで紹介されています。
外務省ウェブサイト 事業・運営権対応型無償資金協力事例 はこちらからどうぞ

細矢さんに聞いてみよう

■JICS入団の動機

 大学時代は、国際協力とは全く縁のない薬学部で学んでいました。学生の2〜3年目に南米を旅行していたときに、アルゼンチンの僻地にてJICAの専門家の方に出会い、畑違いでしたが海外での仕事の一つの選択肢として国際協力分野の仕事を意識しました。就職活動の際に、援助をカタチにすることをモットーとしたJICSのホームページを見て、「調達って何だろう?自分の体力があれば、何か支援をカタチに出来る仕事に携われるのでは。」との思いを強く抱き、入団を希望しました。

■JICSの仕事を通じて感じたこと

 現地のニーズを確認し、それに適した機材、施設などの調達を行うのがJICSの仕事の一つです。現場の状況をプロジェクト実施機関の担当者と一緒に確認し、機材の仕様や輸送規則に関連する情報を収集し、日本の支援を間違いなくカタチにするためには、コミュニケーションスキルが本当に重要だと感じています。特に、JICSは実施機関の方とは長い期間お付き合いをすることになりますので、信頼関係を構築することが重要です。そのためには、時間はかかりますが誠意をもって説明、意見交換を続けることが結果として良い成果につながることが多いと感じます。

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開札会において応札時の記録をとっている様子(左端が著者)

ネパール コミュニティ開発支援無償 「コミュニティ交通改善計画」の紹介はこちらからどうぞ

■印象に残ったエピソード

○2008年11月にタイでの仕事を終え、次の仕事の目的地であるカンボジアへ移動するまさに当日に、反政府勢力により国際空港が占拠され、数日間に亘り空港が閉鎖される事態が発生しました。空港再開の目処が全く立たない状況でバンコク市内に留め置かれたので、毎日のように現地の航空会社に状況を確認し、今後の対応について東京本部と確認しました。数日後に、別の空港から日本行きの臨時便が飛ぶことになり、帰国できることになりましたが、正に想定外の出来事でした。

○2015年3月、ネパール滞在の際、帰国予定前日にトルコ航空がカトマンズ国際空港で着陸に失敗するという大きな事故が起きました。空港は直ちに閉鎖されたので、予定のフライトはキャンセルとなりました。航空会社や空港事務所にいくら問い合わせしても空港再開の確かな情報は得られず、数日間にわたりカトマンズに滞在することとなりました。空港再開後の飛行機が飛び立った際に、“ほっ”とした気分となったのは今でも鮮明に覚えています。

○カンボジアに出張していた時、商業省のカウンターパートの方と建設サイトに向かう途中食べた昼ご飯に、黒い蟻が多数浮かんだスープが出てきました。一瞬、不衛生なためかと思いましたが、カウンターパートより、その地域の名物である「蟻スープ」との説明を受け、安心して頂きました。食べ物には、驚かされることが度々あります。

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カンボジア バッタンバン州に完成した「Roadside Station」(道の駅)開所式
案件名:日本・アセアン統合基金(JAIF)による東西経済回廊・南部経済回廊の物流促進プログラム

○ラオスの案件では、建設サイトが車で10時間以上かかるところにありましたが、公共事業運輸省の担当の方と同乗して施設の完成まで何度も行きました。毎回座り過ぎてお尻が痛かったのは、今となっては良い思い出です。今でもその施設が、多くの人々に活用されていると聞くと嬉しく思います。自分が携わったプロジェクトはいつまでも覚えているものです。

■ある一日の様子

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朝は最初にメールをチェック

(1) 9:30-10:30 メール確認・返信・対応等

毎日、朝早くから多くのメールが職場の内外を行き交います。急ぎの仕事の連絡に対しては速やかな返信・対応を心掛けています。

(2) 10:30-11:00 プロジェクトチーム内打合せ

担当するプロジェクトの課題をプロジェクトメンバーと検討し対処方針を導き出します。速やかな対処が問題の深刻化、新たな問題の発生を未然に防ぎます。

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書類の確認作業

(3) 11:00-12:30 デスクワーク(書類作成等)

プロジェクトを進める上で数々の書類を作成しなくてはなりません。特に、契約書は重要な書類ですので、内外の関係者と協議をしながら間違いが無いように注意します。

(4) 13:30-14:30 課内会議

自分の担当するプロジェクトの進捗状況や課題を、課内のメンバーと共有します。課題への対処方針について議論をすることもあります。

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課内会議の様子
フレンドリーな雰囲気の施設第二課の会議は笑顔が出ます。
私の隣の尾ヶ口さんはこのコーナーに2008年に登場しています。

(5) 14:30-15:30 海外プロジェクトオフィスの業務確認

海外で行われたプロジェクトの入札評価報告書をチェックします。入札は、発注先の会社を決めるための重要なプロセスですので緊張感をもって内容を確認します。

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会議(部会)

(6) 15:30-16:30 会議 (部会)

私の所属する業務第一部の部長、課長、課長補佐が集まり、所属する部の問題点や解決策につき自分の意見を述べながら話し合いを行います。

(7) 16:30-17:30 デスクワーク:書類作成

(8) 17:30- 創立記念行事に参加

本日はJICSの創立記念日(4月12日)で、事務所内会議室で開催した創立記念行事に参加しました。代表理事の挨拶の後、勤続表彰、MVP表彰、懇親会などを行いましたが、乾杯の後の懇親会では、新人職員紹介が恒例となっています。

創立記念行事

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仲谷代表理事の挨拶
JICSはコンパクトな組織で、年3回は出張者以外ほとんどの職員が集まり、代表理事の挨拶を直接聞く機会があります。
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新人職員の自己紹介を楽しく聞いているところ。こちらの女性2名と部署は別ですが、一緒にヤンゴン市無収水削減計画を担当しています。二人とも過去にこのコーナーに登場しています。(中:荒川さんは2008年、右:木村さんは2010年掲載。)

(9) 帰宅

一日を反省しながら改善策を練り、そして明日の仕事内容を思い描きつつ帰宅します。

■今後のこと

 開発途上国に対する日本の支援のあり方は、入団以来17年の間に大きく変わってきました。これから先も、自分の得た知識や経験に、更に磨きを掛けながら新たなプロジェクト(案件)を担当していきたいと考えています。今、会社の同僚にも刺激され、自身の仕事の品質向上のために業務に関連する語学や資格の取得に取り組んでいますが、今後も続けていきたいと考えています。

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マラウイの現地の施工会社により順調に建設中の中等学校。生徒達が完成を待っています。
マラウイコミュニティ開発支援無償 「第三次中等学校改善計画」の記事はこちらからどうぞ

■ちょっとプライベート

 会社内外の気の置けない仲間と一緒に、日頃からフットサルやマラソンなどをやっています。体を動かすことが好きなので、海外でも何か楽しく運動する機会が無いかと積極的に情報収集して楽しんでいます。その成果のひとつとして、昨年は、マラウイにて現地の小学生達と一緒に日本のNPOが主催するFun Runの企画に参加して楽しく走ることができました。

 スポーツ好きな性格なので、2020年の東京オリンピック開催の際には、これまでの自分の経験を生かし何か協力できないかと考えたりしています。

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同僚と参加した国立競技場12時間リレーマラソンの完了時の記念撮影
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同僚と参加した久喜ハーフマラソン参加時の記念撮影
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