職員の一日

塩原さん

塩原さん

入団22年目(2014年4月現在)

部署:業務第二部特別業務第二課

お読みいただく前に
・下記の文章で登場する「調達(業務)」について、わかりやすく説明しているページはこちらです。

経験業務

携行機材購送業務 1992年〜

 JICAが実施する技術協力プロジェクト※1に派遣される専門家が任国の業務で使用する機材を調達し、専門家の赴任時期やプロジェクトのスケジュールに合わせて輸送手配を行う携行機材購送業務を担当していました。

 私は鉱工業開発協力部、派遣事業部、農業開発協力部(いずれも当時の名称)を担当しましたので、各部で実施しているプロジェクトにあわせて、測定機器や分析機器、実験機器や薬品、植物の種、農機など様々な分野の機材について見積書を取り付け、仕様を確認し、納入時には検収を行っていました。普段の生活には馴染みのない測定機器やドクロマークが貼られた薬品を目にする機会もあり、貴重な経験をすることが出来ました。

※1:JICAが中核となって実施している開発途上国の経済・社会の発展に必要な人材育成、研究開発、技術普及、制度構築を支援する取り組みの中で、「専門家派遣」、「研修員受入」、「機材供与」の3つを最適な形で組み合わせたものが「技術協力プロジェクト」。

文化無償資金協力業務 2000年〜

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ウクライナ出張にて

 世界各国の在外公館から外務省へ提出された文化無償資金協力の要請書について、要請機材や活用計画などを解析しレポートにまとめたり、音響、照明、視聴覚など様々な分野の機材の専門家と一緒に現地へ出張し事前調査を実施していました。また、入札業務の一環で、在京大使館の文化担当官へ入札会への出席を依頼するために、各国の在京大使館へ訪問する機会もありました。日本語を勉強されている文化担当官も多く、丁寧で流暢な日本語で日本の援助プロジェクトへの感謝の言葉をいただいたときは感激しました。

環境プログラム無償等 2009年〜

 ラオス、カンボジア、トンガ、フィリピンの環境プログラム無償「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」、フィリピンの防災・災害復興支援無償「広域防災システム整備計画」、マーシャルのノン・プロジェクト無償「途上国の要望を踏まえた工業用品等の供与」「中小企業製品を活用したノン・プロジェクト無償資金協力」などを担当しています。

 JICSは、これらのプロジェクトで相手国の調達代理機関として、必要な資機材やサービスの調達やプロジェクト資金を管理しています。

 ラオス「太陽光を活用したクリーンエネルギー導入計画」では、首都ビエンチャンのワッタイ国際空港駐車場の屋根に太陽光パネルを設置しました。設置工事の現場は、炎天下で日陰がなく、日本の技術者もラオスの作業員も大汗をかきながら工事にあたられていました。日本人、ラオス人を問わず、プロジェクトに関係する皆さんのお陰でプロジェクトが動いていくことを改めて実感しました。

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ラオス ワッタイ国際空港駐車場に設置された太陽光パネル

マーシャル 調達したエクスカベーターが廃棄物処理場で活躍中。
ゴミを空気にさらすためにかき混ぜたり、
山のように積まれたゴミをならす作業を行っています。

塩原さんのある一日の様子

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開札では司会を務めることも

09:30〜12:30 メールチェック、書類作成、開札会場の準備など

開札会場の準備・運営は開札を行うプロジェクトの担当者だけでなく、仲間と協力して行います。
通常は会議室として使用している部屋の机、椅子のレイアウトを変更します。

13:30〜16:00 開札業務

開札の司会を務めることもありますが、大変緊張します。

16:00〜18:00 開札の後片付け、応札書類の審査など

塩原さんに聞いてみよう!

■入団理由

 私は社会人採用でJICSに入団しました。仕事を選ぶ際に海外志向はなく、新卒で入社した最初の勤務先は国際協力に縁のない会社でした。その会社を退職後、旅行や習い事をしていた時に、JICSの求人広告を目にし、希望の事務職求人であったことなどから応募しました。

 入団当初、携行機材購送業務を担当する部署に配属され、ここでの仕事を通じて日本政府が実施している国際協力のプロジェクトについて知り、援助の仕事に興味を持つようになりました。

■仕事を通して感じたことなど

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マーシャル 前述のノン・プロジェクト無償「途上国の要望を踏まえた工業用品等の供与」の関係者会議にアドバイザーとして参加。 マーシャルの外務省が改築中のため、International Convention Centerの広間の一角で開催されました。

 JICSは社会人採用が多いことから、各人の専門性、キャリア、国籍、価値観、ライフスタイルなど様々です。異なるバックグラウンドを持つ方々とチームを組み、個々の専門性を生かして仕事をすることは刺激があり、学べることが多く楽しいです。

 実際の業務では、被援助国のニーズ、政府内の制度や必要な手続きを被援助国政府の方々に理解、納得していただき、相手と良好な関係を築きながらプロジェクトを円滑に進めていくことが求められます。開発援助においては、日本側の(1)考え方、(2)実施方法を押し付けるのではなく、プロジェクトを一緒に進めていく姿勢が大切です。JICSの仕事相手のほとんどは、日本人とは異なる言葉や文化を持ち、それぞれの国の制度も異なります。これら価値観や制度の違いから、被援助国政府の方々と良好な関係を築くこと、プロジェクトをスムーズに進めていくことが、難しいと感じることもあります。しかし、これを乗り越えて、プロジェクトに取り組むことがJICSの仕事の醍醐味でもあります。

■今後の目標ややりたいことなど

 JICSには介護や子育てをしながら、また自分のライフワークや趣味を追求しながら、多忙な業務をこなし、ワークライフバランスを上手に取っているスタッフが大勢います。私もうまくバランスを取りながら仕事を続けたいと思っています。

■ちょっとプライベート

 趣味はゴルフでレッスンを受けています。出張が入ると中断してしまいますが、友達とだけでなく、JICSの先輩方とコースを回ることもあります。